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「意識不明の重体……ついにやられてしまったのか……!」
「詳しく話すから落ち着いて聞け。」
父さんから詳しい事情を聞いたところ、実際は重体どころか殺されていたかもしれないということだ。
魔族がミーシェさんに飛ばした斬撃は、駆け付けたギルド員の魔法にぶつけられ、間一髪で軌道をずらされたそうだ。
しかし直撃を免れただけでその衝撃はかなり大きいものだった。
ミーシェさんの身体は衝撃によって吹っ飛ばされ、硬い岩肌を激しく転がったそうだ。
目を覚まさないのは頭を強くぶつけたからだろう。死亡に至っておらず、自発呼吸を保っているならあとはミーシェさん次第ということか。
ちなみに派遣されたギルド員は強く、魔族を追い払うほどの力を有していたという。そっちにも興味があるな。
おそらく、シェリア達を含め、各国の五大貴族も今ごろ動揺しているだろう。危機感だって強まるはずだ。
これがプラスに働くか、マイナスに働くかは俺ら次第。まるで魔族に試されているかのようだ。
「ミーシェさんのことはわかった。イリスさんは?」
「身体的には完治に近いが、精神に致命的な傷があると聞いている。」
「……それこそフロール王国にとっても致命的だろうな…。」
他国が文化で栄えているのに対し、スローラル王国は戦力で優れている。これから多くのギルド員が外国にも配備されるだろう。
フロール王国の戦力的な穴はスローラル王国がカバーすることになる予定だ。
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