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「誰だ? 珍しいな、電話なんて……みんな静かにしてくれ――お電話ありがとうございます。再生企画でございます」
森丘さんが電話を取り、私達はこっそりと聞き耳を立てた。
「はい、はい、え! そんなに頻繁に心霊現象が起きているんですか? ……お祓いですか――本当に謝礼は要らないんですか? すみません、お名前とご住所をお聞きしても宜しいですか?」
依頼と思われるような内容だった。
珍しい。大概、手元に置きたくないから、画像や動画を送りつける人間が殆どなのに。
「群馬県利根郡……山田魅羅さん――はい分かりました。今日はもう遅いので明日昼頃に、お伺いしても宜しいですか? はい、了解致しました。では失礼致します」
森丘は受話器をそっと置き、満面の笑みでこちらを振り返った。
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