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冬馬は二言三言話すと車に戻ってきた。とびっきりの笑顔がまた憎らしい。
「車はここに停めて良いそうです。機器類は玄関に一旦運んでくれとのことです」
「よし分かった。エンジンを止めるぞ。皆、カメラやライトを運んでくれ」
陸也の声で各自、着替えの鞄や機器類を手に取った。車の外から出ると、空気がひんやりと冷たく、霧が掛かったように、来た道がもう見えなくなっていた。
「皆さん。遠い最中、良く来てくださいました。主人も中で待っております」
魅羅は白い手の平で屋敷の中へと誘導した。
「ちっ、旦那さんがいたのか!」
「うるさいよ茂。早く行くよ」
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