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私たちは機材を玄関に運び、屋敷の中を見渡した。
障子で各部屋が仕切られ、古めかしくもあるが、襖には埃一つなく、木目の廊下も滑るように手入れが行き届いていた。
リビングらしき襖を、魅羅さんが開けると、中には光沢のある漆塗りの大きな長机が一つ、黒革のソファーには着物を着こなした、がたいの良い旦那さんらしき40歳前半くらいの男性が腰を掛けていた。
旦那さんの後ろには蛇のような文字が綴られた掛け軸、その下には日本刀が二本飾られている。由緒正しき物なんだろうか。
「初めまして。主人の山田良寛と申します。皆さん、ソファーにどうぞお座りになって下さい。
魅羅、お茶を早く用意してやってくれ」
「はい貴方」
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