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恐る恐る、テーブルを囲う黒革のソファーに私達は腰を掛けた。
「今日は霧が濃く、少々寒いですね。雪が降るかも知れませんねぇ……遠い所本当にありがとうございます」
「いえ、こちらこそ。情報を下さってありがとうございました……ところでそんなに頻繁に怪奇現象が起こるのですか?」
陸也がカメラを抱き、前のりになって訊ねた。
「ええ。私達もほとほと困り果てていまして……引越しも考えましたが、この屋敷は代々受け継がれているものなので手放したくはないんです。
――霊能者の方はどなたですか?」
私達は一瞬どうする? という表情をし目配せをした。すると間髪いれず冬馬が語りだした。
「この女性です。北嶋久実と言います。彼女は優秀なんですよ! ねぇ?」
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