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最寄りのバス停でバスを降りて、慣れない道を歩き出す。 真上にある太陽に作られた影は、気だるそうに歩を進めた。 今日はやけに車の通りが多い。 皆家族で連れたって、子供の入学を祝いたいのだろうか。 平日だというのに、暇な奴らだ。 店の並ぶ通りを抜け、右折、その後5分程直進。 学校が近づくにつれ、歩いている人がちらほら見え始める。 皆一様に新品の制服を身に纏い、まだ体に馴染まない様子で動きが固い。 隣を歩く保護者に笑いかけるその顔はなんとも照れているようで、また、緊張しているようにも見えた。
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