第4話

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 あれから眠ってしまったんだろうか……まだ瞼が重く、視界がぼける。今何時? みんなは? ――え! なにこれ……? 「なに、この鎖! 誰か助けて! 冬馬助けて!」 隣で叫ぶ直子の声で、脳味噌が急速に回転し始めた。私は十字架の鉄の柱に磔にされていた。 首や両手首には押さえつける、真っ黒な鉄のワッカ。喉元や手首に金属の冷たさを感じる。 抵抗しようと動かしてみるが、逆に食い込み、痛みが走るだけだった。 ――両足首が重い。これ、なにが付いているの? 動かない首を無理やり下へ傾け、足元を見ると、銀色に光る重い鎖が柱にではなく牛の首に繋がっていた。 ――なに? 牛のロボット?
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