一、偽りの逢瀬

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今夜の約束に向けて家で身支度を進める中、等身大鏡と睨めっこする 今夜会える事を思うと、そわそわしてまともに眠れなかった まるで小学生みたいだよね私 貴方と出会って二度目の季節が訪れた 暑いのか寒いのか分からない季節。後二ヶ月で、クリスマスがやって来る クリスマスって言っても、私には全然関係ないんだけどね 恋人達にとっては一大イベントだけど、私達は恋人じゃない ただ欲求を満たすだけの関係。 まさか私に俗に言うセフレ関係の相手が出来るなんて思わなかった あの人から見たら、遊び相手の一人に過ぎないんだけど 私はあの人の事が好き 出会って直ぐ一目惚れをして、セフレでも良いからと関係をもった 勿論あの人は私の気持ちを知らない。私にも沢山男が居ると勘違いしてると思う 感情が入ったら、もうそこで終わりだと始めに言われてるから 何があっても気持ちを悟られてはいけないんだ。 「よし、これで良いかな」 お気に入りの香水を軽く振り、部屋を後にし一階へと下りる いつも待ち合わせは、私の家の下であの人が迎えに来てくれる あの人は私の部屋を知ってるけど、私はあの人の部屋を知らない 聞いた事もないし行った事もない。怖くて聞けなくて… だって、あんまり踏み込んでも嫌がられそうだから… 凄く知りたいけど、怖くて聞けないよ…。
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