五、孤独な誕生日

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―――――― ―――― ―― 『え~!ねぇ私と仕事どっちが大切なの!?私って言うならすぐ此処へ来て!待ってるから!』 蓮也と約束してる当日、仕事が終わり帰宅する途中 不意に横切る女性の電話している言葉が嫌でも耳に入って来る 凄い我が儘だ 仕事と自分の事を天秤に掛けた挙げ句、今すぐ来て欲しいなんて 凄い我が儘だと思う だけど、そんな我が儘を言える女性が正直羨ましかったりする私…。 私には絶対言えない事ばかり 恋人同士じゃないから言えなくて当たり前なのかもしれないけど 今日このまま泊まりで明日を共に迎えたいと… 明日まで一緒に過ごしたいなんて、とてもじゃないけど言えない 明日は私の誕生日 勿論、誕生日だって事言うつもりなんてない 何か物をせがんでる様に思われたくないし、それに… 誕生日一緒に居たいなんて言って、重たい女だと思われるのも嫌。 誕生日だって事言うつもりなんて全然ないの だけど…もし過ごせるなら…一緒に過ごして欲しい いつもと変わった事して欲しい訳じゃないし 何かを期待する訳でもない ただ…貴方と一緒に居たい それだけなんだ
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