七、温かく優しい時間

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「まだ時間あるか?」 「うん、私なら大丈夫だよ。何処かへ行くの?」 「あぁ、ちょっとな」 何処へ行くんだろう? 不思議に思いながら車の助手席へと腰を下ろし、シートベルトを締める こんな時間から向かう所って言ったら、何処だろ ホテル…? ホテル以外に思い浮かばない私 いつも行くのはホテルだし、蓮也以外の人と出掛けた事なんて 新藤さんとの一回きりの水族館だけだし…わからない やっぱり、ホテルかな…。 車を走らせる事50分弱。高級感溢れる高層ビルの駐車場に車を停める 凄く高いビル…と言うか…オフィスビル?それともホテル? どっちか良くわからない 車から降り蓮也の半歩後ろを歩きロビーへと入って行く フロントがある って事は…やっぱりホテル? ご飯食べて行き着く先はホテルだったんだ うん…わかってる 私達の関係は重々承知してるつもりだけど、今日に限って何だか辛い 蓮也は受付もせずエレベーターに乗り込み、最上階である38階のボタンを押した。
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