五、孤独な誕生日

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帰りの車内では気持ちが沈んだまま、明日の事で頭がいっぱいだった 沈んだ気持ちを顔に出さない様にするのに必死で… いつもよりお喋りな女に思われてるかもしれない だけど良いの こうでもしないと、暗いオーラが出てしまって気まずい雰囲気を漂わせてしまいそうで… 何でかな…今日は早く家に着いて欲しいと願ってる私 いつもなら、信号機を見る度に赤色になれば良いって思ってるのに 今は青色を望んでる。 こんな時に限って時間が経つのは早くマンションへと着いてしまった 0時を迎えるの嫌だな… だけど蓮也に縋り付く訳にもいかないし… 重たい足取りで車から降り蓮也へ笑顔を向け手を振った 「今日は有難う」 「俺の方こそ、有難うな」 「じゃあまたね」 「ああ」 蓮也は車を走らせ去って行く 蓮也の後ろ姿を見送るのは慣れてる筈なのに 今日はいつもと違い心が痛い。
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