五、孤独な誕生日

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『でも…』 『誕生日ぐらい贅沢すりゃあいい』 ドクンッ! 再び強く鼓動が打ちつけられ 手が小さく震える すぐ隣りに居たのは …間違いなく 私の知ってる人 蓮也だった この場から離れたいのに 足が動かない… って言うか…誕生日…? さっき誕生日だって 言ってたよね…? 『本当に良いの?』 『当たり前だ』 誕生日の日に 一緒に過ごすなんて… 蓮也の大切な人…? …此処から出なきゃ こんな所来るんじゃなかった …どうして今日に限って 一番見たくない事 知りたくなかった事 遭遇しちゃった やだ…泣きそう 胸が痛いし苦しい… 早く出なきゃ… 『里桜?』 「…っ!?」 目が…合ってしまった 蓮也が、私に気付いた やだ…どんな顔して 顔合わせれば良いの…。
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