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「あの頃は良かったね」
なんて、わたしはまだ言いたくないから、リアリティなんて丸めて捨ててしまった。明日からはテレビばかり観て暮らしていくの。
「男なんで掃いて捨てるほど居るじゃない」とマリコは言った。
当たり障りのないセリフ。どうせわたしたちの関係なんてただの同僚。一緒にご飯も行くしお酒も飲むけど、本当の悩みなんて相談できない。
そうだ。アカリちゃんに電話しようと、思って携帯を手に取ったけど、やっぱり止めた。アカリちゃんも、もうママなんだ。
それに比べてわたしは。
ベットに入って、うつ伏せになり、枕に顔をうずめて、「ああああああぁああ」と嘆いてみる。知ってる。わたしってヤな女。
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