ふーこのロマンス-2-2-2-2

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オニクはひとり社長の中也の所に向かった。 中也はオニクを見るなり、呼び寄せて話し始めた。 「丁度良かった!オニクに話しがあったんだ。さっきマルがへそ曲げて、辞表を叩きつけて出ていったんだ。 お前なら、機嫌とって戻ってこらせるだろ?」 オニクはしばらく中也の顔を呆れた顔で見つめた。 「ブラックブラックは、マル無しではやっていけません! 必ず取り戻します! でも、ここには帰ることはありません! マルの意志はブラックブラックの意志です!」 「どうゆう事だね!」 「今日限りで、ブラックブラックのメンバー全員この事務所を辞めます!」 「…!」 「俺たちで、新しいブラックブラックを作っていくよ…自分達らしいロックの世界を」 しばらく中也は窓の外を見ていた。 そしてオニクに向き直り、大きく深呼吸をした。 「オニク…いい目してるな」 中也は、オニクを見ながら少し笑った。 「私が、もう何を言っても無駄のようだな! わかったよ、お前らしくやってみろ! これからはライバルだな。」 「ああ、わかったよ。これまでありがとう…オヤジ!俺なりに作っていくよ自分の目指す音楽の世界を…」 「いつかは、こんな日が来ると思ってたよ。私から旅立つ日がな…。」 「オヤジ…」 「たまには家に帰って来いよ、母さんが寂しがってる。」 「ああ、わかったよ。じゃあな…オヤジ!」 オニクは少し柔らかい表情を見せ事務所から出ていった。 …邦雄…お前も大人になったな…アイツ親を越えるかもな… オニクの後ろ姿を見送る中也の目は社長ではなく父親の目だった。
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