第1話 【転校生 清科幸助 1】

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ここがどこで何故ここにいるのか まったく思い出せなかった。 「これは俗に言う記憶喪失ってやつか? いやいやそんなはずは…… 俺の名前は?清科幸助。そう正解。 歳は?夢見る15歳の中学3年生。 その通り。 で、髪はそんなに長くない黒で…」 そう言うと幸助は右手で髪の毛をかきあげ、 そのまま前髪まで手をやると、 一束つかみ、目の前に持ってきた。 「うん、憶えてる。 じゃあここはどこで、 なんで俺はこんな所に?」 いくら考えてもその答えは出てこない。 今度は両手で髪をくしゃくしゃと かき乱す。 「だー分からん。 一体どこなんだよここは。 俺は空から降ってきたとでもいうのか」 その時、幸助にこの場所を教えるかのように チャイムの音が辺りに響いた。
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