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幸助は反射的に入口の方へ駆け出す。
「そうかここは学校なんだ。
だったらやべえ」
慌てて乱れた髪を整え、
無駄に段数の多い階段を
テンポ良く駆け降りる。
反射的に動き出した為、
幸助は特に思考を巡らせることもなく、
三年一組の札が掛かる教室の前で脚を止めた。
そこで一度
なぜここが自分のクラスと分かったのか
考えるが、すぐになんとなくで
答えはまとまってしまう。
横開きの教室の扉に手をかけ、
開こうとした時、力を入れる前に
扉は古びた音をたてて開いた。
誰かが出てくるのだと
半身になり避けようとしたが、
開けた相手にそんな心遣いは無い。
瞬く間に二人の距離は縮まり、
相手が幸助に気付いた時には
もう衝突は免れなかった。
勢いよくぶつかる二人は
幸助を下にして奇麗に重なり合う。
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