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◇◆◇◇
呉を部屋に迎え入れ、一緒に片づけを始める。
呉にはキッチンを担当してもらって、わたしは寝室を片づけ始めた。
部屋が広くなると物も増えるようで、越してきた時よりも荷物の量は倍近くに増えている。
いらないものを捨てながら進めていった。
「呉、ありがとう。暗くなってきたし、飲みに行かない?」
「そうだな」
マンションから徒歩五分の和風居酒屋に足を運ぶ。
小上がりに四組が入る座敷の奥に通された。
ここは魚とてんぷらがおいしいから、それらが食べたくなるとよく来ている。
お刺身を突きながら、最初は旬の魚の話などをしていたけれど、自然、話はわたしの引っ越しのことになった。
「割と近くだよ。ただ、別の沿線になっちゃうけど。一戸建ての綺麗な新築なの」
「一戸建て?」
「うん、シェアハウスなんだ」
「シェアハウス? 女子専用?」
呉の語気が荒い。
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