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「美織」
「やっ……んっ」
追い打ちをかけるみたいに耳元で名前を囁かれる。
熱に浮かされておかしくなりそう。
わたしに覆いかぶさる呉は余裕の笑みを浮かべている。
「いじわるっ……ぁっ! もぅ、やだっ」
「やっぱかわいいな、美織は」
吐息が熱い。
額に汗が滲む。
わたしの目元から溢れた涙を拭いながら呉が嬉しそうに笑う。
美織、美織って、そんなに連呼しないでよっ。
唇を噛んで睨み付けるけれど、貫かれる度に抵抗できなくなって、素直に声を上げてしまう。
「……凌生……凌生……っ、あっ、……いっ!」
びくんと全身を震わせて、わたしの全てが弾けた。
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