1346人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「わたし、二十七なんだけど、気にせず付き合ってくれると助かるわ」
「二十七歳かぁ~。いいなぁ~大人の女って感じ! 色々教えてもらいたいなぁ~」
楓くんは意味ありげに微笑みかけてきた。
この子……チャラ男、決定。
わたしは肩を竦めて笑い返す。
ふたりは流しに向かい、買ってきた食材を広げると、手際よく冷蔵庫や保管庫の中に入れていった。
「美織さん……って呼んでも平気ですか?」
食材を片づけ終わると中川さんは笑顔で顔を上げた。
「うん、美織さんでOK! じゃあ、わたしは陽菜ちゃんって呼んでいい? それと楓くん」
わたしの言葉に、陽菜ちゃんは、「はい。改めてよろしくお願いします」と丁寧に頭を下げ、楓くんは「は~い」と手を上げてご機嫌な返事をした。
わたしの中でふたりの人物像がなんとなくできあがる。
まじめでしっかり者の陽菜ちゃん。
ノリの軽い楓くん。
最初のコメントを投稿しよう!