第11話 シェアハウス

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「どこと言われても、うーん」  そりゃそうだ。  自分の町がいいですよ、って紹介されても、じゃあ行くわってわけにいかないしね。  お互いに気マズイわ。 「場所はいいかどうかわかんないですけど、シェアハウスはどうですか?」  臼井さんが手を止めて、PC越しにこちらを覗きこんだ。  いたずらに微笑んでいる。  その笑顔が気になったから、わたしも手を止めて顔を傾けた。 「何、その表情。おすすめの物件でもあるの?」 「ちょっと前にわたしも引っ越しを考えていて、物件を探したんですよ。そしたら、お店の人にシェアハウスを勧められまして。安い賃金で広い部屋に住めるし、住人との交流も可能だから、ひとりでも寂しくないし、今人気みたいですよ」
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