第15話 本気なの?

4/6

1346人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
 コンコンと遠慮がちに扉が叩かれた。 「美織さん、陽菜です。今、いいですか?」 「ちょっと待ってて」  急いで起き上がると、ドアに駆け寄って扉を開けた。  そこにはお夕食の御膳を持った陽菜ちゃんが立っていた。 「よかったら、食べてください」 「ありがとう。陽菜ちゃん、さっきは大人げない態度を取ってごめんね」    わたしが謝ると、陽菜ちゃんはふわんと揺れるように微笑んだ。 「全然大丈夫ですよ」  心からの笑顔にほっとする。 「あの……」  陽菜ちゃんは、小さく言い淀んだ。 「ん?」  陽菜ちゃんから御膳を受け取りながら首を傾げる。  御膳は湯気が立っていて、温め直してくれたことがわかった。  こういうちょっとした気遣いが嬉しい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1346人が本棚に入れています
本棚に追加