第12話 じゃあ……付き合う?

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「引っ越し? どうして?」 「うん、光とも別れたし、環境変えたいなぁと思って」 「……前もそうだったな」  呉はわたしが安藤と別れて引っ越したことを知っている。 「もう物件は決めたのか?」 「うん、昨日」 「昨日? 一言相談してくれてもよかったのに」 「えっと……」  相談……なんてできないよ。  呉から離れようと思ったのだから。  わたしの反応の悪さに何かを感じ取ったのか、呉が黙ってしまった。  わたしも何を言えばいいのかわからずに黙ってしまう。  しばらくして、再び呉が話し出した。 「……引っ越しの準備、できそうか? 俺も手伝うよ、暇だから」 「ありがとう、でも貴重な休みだし、出かけなくていいの?」 「柴が一緒じゃなかったら意味ないし」  呉ってば拗ねているの?  大きな図体で拗ねている様子を想像したら微笑ましくなった。 「じゃあ、手伝ってもらえたら嬉しい」 「わかった、今から行く」  明るい調子で応えると、呉からも打つように返事がきた。
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