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走った先には雑木林が見えた。
キリは雑木林に入ると、身を木から木へと隠しながら進んでいく。
すると、
「あらら、予想的中だったな。大変なことになってやがる……」
そこには、荷台とそれに繋がれたダーグリス、散らばっている積荷、両手を挙げて命乞いをする中年の男
そして
それを取り囲む武器を手にした大勢の男たち。
「盗賊の襲撃ってわけですか……どうしますかキリ様?」
いつの間にか追いついてたフロンが耳元で囁く。
「ばかやろう、聞くまでもないだろ」
キリはそう言って立ち上がる
「そこまでだ!! 悪党共め!!」
勢いよく盗賊たちの目の前に現れるキリ、そして懐のフロン。
「な、なんだこのおかしな格好のガキは!?」
「どっから湧いてきやがた!?」
などなど
盗賊たちにざわめきが起こる。
「無抵抗の人を襲い、私利私欲のために人を傷つけようとは、許せん!この俺が成敗してくれるわ!」
この時、キリの心の中は(決まったァ!!かっこいいセリフ決まったァ!!)でいっぱいだった。
「何言ってやがるこのガキ! お前も身ぐるみはいでやらァッ!!」
キリの近くにいた盗賊数人がキリに襲いかかる。
が
「悪いがそんな遅い攻撃を受けてやるほど俺は優しくはない」
キリは全ての攻撃を身を半歩引いて最小限の動きで避ける。
「な、なんだこのガキは!?」
「手練か!?」
「もう終わりか? ならこっちの番だな。霊界大和流奥義、破滅の型」
キリは斬切を抜きながら逆手に持ち、くるりと手首を返すと、斬切の刀身がブレる。
「塵崩し」
すると、盗賊の持っている武器に異変が起こる。
「な、何だこりゃあッ!?」
「武器がッ!ボロボロになっていきやがるッ!」
盗賊が持っていた武器が細切れになってボロボロと地面に落ちていく。
「ば、化物だァッ!!」
「ひ、ひぃぃ!! 助けてくれぇ!!」
盗賊は武器を置いて走り去っていった。
「これにて、お仕舞い」
キリが斬切を鞘に収めようとすると……
「待てッ!! まだ俺が残ってるぞッ!! このトンチキがッ!!」
まだ目の前には、少年の盗賊が逃げずに残っていた
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