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「これでも、人生経験は尋常じゃなく豊富でな、当ててやろうか?」
「な、何だと?」
少女はキリの言葉にたじろぐ。
「お前、家出中だろ?」
「っ!? な、何故……」
「目を見りゃわかる。没落貴族にしては目に闇が見えないし、その跳ねっ返りな性格。大方、家出したはいいものの、金に困って盗賊に身分を隠して仲間入りしたってところだろ」
「……家出は当たってるさ、けどな、最後の予想は大外れだぜ?」
「あ、あれ?……そうなのか?」
(くっそー! 自信満々で言った分恥ずかしい!!)
キリは内心恥ずかしさで暴れたい気分だった。
「私はな、あのくそオヤ……王様に裁きを下さなきゃならないんだ!!」
「!? 王様に裁き? 王様は悪いやつなのか?」
「そうさ、今の王都は酷いもんさ、政治が荒れ狂っていて、貴族たちは自分の身を守るので精一杯、民のことなんか後回しさ!!下手すると魔神がいた頃よりも悲惨だ!」
「それが王様のせいだと?」
「王様は数年前から死んだマ……妃を蘇らせようとしてるんだ、おかしくなっちまったんだよ……それで政治も放ったらかしさ」
「それで、盗賊とはどういう関係が?」
「盗賊じゃねぇ!! 義賊だ!!」
「……義賊?」
それを聞いてキリの顔が曇る。
「そう! 義賊だよ! 強きをくじき弱きを助ける、弱いものの見方さ! さっきの荷を運んでたオッサンもな、自分の保身のために散々いろんな人々から搾り取った金やら資源やらを運んでいたのさ! 襲われて当然なんだ! 王家もおんなじようなもんさ、だから……だから……」
「くだらねぇ……」
少女の話を聞き終わる前に、我慢できないといった風にキリは口を開いた。
「んだとぉ?……テメェ……なんて言いやがった?」
少女もキリを鋭く睨む。
「くだらないと言ったんだ。義賊だと? 笑わせるな、俺が知ってる限り、義賊を名乗ったやつでまともな人生を歩んだやつなんて一人もいない。最後には全ての悪を背負わされて、歴史から消される……そういうもんだ」
「キリ様……」
(キリ様からとても悲しい感情が伝わった来ます……)
フロンにキリの感情が流れ込む
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