盗賊の少女

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「こ、この……」 コロナが暴れても解ける気配がない、かなり頑丈なようだ。 「さて、このままお前を王都までしょっぴくぞ、文句はないな?」 「くっ……」 コロナは悔しそうにそっぽを向くがモジモジしながら口を開いた。 「ひ、ひとつだけ頼みがあるんだ……」 「ん、なんだ、懺悔でもあるのか?悪いが見逃す気はないぞ」 「そうじゃなくて……その…… ……着る物をくれないか?」 「あっ……」 -------------------------------------- 「全く、素っ裸で縛られたときはどうなっちまうかと思ったよ!フロンちゃんがいなかったらどうなっていたか……」 「いいえ、大したことはしていませんよ。ふふっ……」 あのあと、フロンが魔法で植物を集めて服を作ってコロナに着せてあげた。 そのためか、コロナとフロンはかなり打ち解けている。 「おい、えっと……キリだっけ? あんた、王都に行くって言ったけど、王都のことちゃんとわかってんのか? 門を通るには証明書やらなんやらが必要なんだぞ?」 「え、そうなの?……」 「……ぷっ、おいおい、そんなのも知らないで私をしょっぴこうってかい。笑わせてくれんじゃん」 コロナがあからさまに馬鹿にした顔でキリを見る。 「んにゃろー……、いいぜ、こっちにも考えがあるからな」 「……キリ様、また悪いこと考えてますね?」 フロンがジトっとキリを睨むが、キリは知らんふりでまた眠りに入った。
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