77人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
「こ、この……」
コロナが暴れても解ける気配がない、かなり頑丈なようだ。
「さて、このままお前を王都までしょっぴくぞ、文句はないな?」
「くっ……」
コロナは悔しそうにそっぽを向くがモジモジしながら口を開いた。
「ひ、ひとつだけ頼みがあるんだ……」
「ん、なんだ、懺悔でもあるのか?悪いが見逃す気はないぞ」
「そうじゃなくて……その……
……着る物をくれないか?」
「あっ……」
--------------------------------------
「全く、素っ裸で縛られたときはどうなっちまうかと思ったよ!フロンちゃんがいなかったらどうなっていたか……」
「いいえ、大したことはしていませんよ。ふふっ……」
あのあと、フロンが魔法で植物を集めて服を作ってコロナに着せてあげた。
そのためか、コロナとフロンはかなり打ち解けている。
「おい、えっと……キリだっけ? あんた、王都に行くって言ったけど、王都のことちゃんとわかってんのか? 門を通るには証明書やらなんやらが必要なんだぞ?」
「え、そうなの?……」
「……ぷっ、おいおい、そんなのも知らないで私をしょっぴこうってかい。笑わせてくれんじゃん」
コロナがあからさまに馬鹿にした顔でキリを見る。
「んにゃろー……、いいぜ、こっちにも考えがあるからな」
「……キリ様、また悪いこと考えてますね?」
フロンがジトっとキリを睨むが、キリは知らんふりでまた眠りに入った。
最初のコメントを投稿しよう!