盗賊の少女

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三人は門から大きく外れた、雑木林に隣接している王都の城壁の前にいた。 「追ってきませんでしたね、でもキリ様、これからどうなさるのですか?」 「大丈夫だ、ちゃんと考えてある。普通には入れないなら、こっそり入っちまえばいいのさ」 キリは斬切を鞘から抜く。 「ふっ!」 四度、壁に向かって斬切を振るう。 すると 「ば、馬鹿な……魔法で強化されてる城壁が……剣で切られるなんて!!」 コロナが驚く、無理もない キリは分厚い城壁をバターを切るがごと切り裂いてみせたのだ。 「俺たちが通ったあとにくり抜いた壁を戻せば平気さ、そうできるように切ったから」 「さ、さすがキリ様です……」 フロンはよくわかっていないがとりあえず感激している。 「んで、中に入れたはいいが……ここはどの当たりだろうか?」 「へっ、壁から入ったんだ。王都の真ん中から追いやられたものがたくさんあるところだよ。心して見て回るんだな」 コロナの表情に影が落ちる。 「わかったよ、心して見るさ。おいフロン! コロナの足の拘束を解いてやってくれないか? 流石に担いで歩くわけにはいかないからな」 「はい、わかりました! 良かったですねコロナさん!」 「ありがとフロンちゃん」 女の子同士でキャッキャしている。 「ほら、足枷解いたんだから、自分で歩けよ。さぁ行くぞ!情報を集めなくちゃな、色々と」 キリたちは、王都の外側、闇の部分から探索することになるのであった。
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