魔神剣使いの女、ロゼ現る

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王都防衛騎士団がピタリと整列すると、後ろからひとり甲冑の違う女が現れた。 「あぁ、よりにもよって騎士団長のロゼが……」 コロナが顔を手で覆う。 「いかにも、私が騎士団長ロゼだ。おい、奴隷商人。これは何の騒ぎだ?」 「ど、どれい!?」 (お、俺のことか? 確かに、みすぼらしい服を着た女の子の手を縛ってつないで歩いてるし、そう思われても仕方ないのかな……) 「しゃべる気がないなら結構、このまま連行させてもらう。来るんだ」 騎士団長ロゼがキリたちの身柄を拘束しようとする。 「じ、冗談じゃない! コロナはともかく、俺まで捕まるなんてまっぴらゴメンだね!」 「ほう、私から逃げられるとでも? 騎士団長である私から?」 ロゼが腰にある二本の剣のうち一本を抜く。 「あぁ、騎士団長なんて目じゃねぇな」 キリも斬切を抜く。 その刹那 ガキンッ!!! 二人は一瞬で間合いを詰め、互の剣をぶつける 周りの人はそれを見て息を飲む。 「ほう、私の初撃を止めるとはな……これならどうだ?」 目にも止まらぬ速さの斬撃がキリを襲う。 だが、キリ一歩も動かない。 キリは斬切を前に出し、軌道を逸らして全て防ぐ。 「な、なんだと……貴様……」 「わりぃな、ここでやり合う気はない」 そう言って、キリは近くの山積みのガレキを切りつける。 すると、勢いよくガレキが王都防衛騎士団に降り注ぐ。 「ちっ! 味な真似を!!」 だが、それはロゼの剣で全て防がれてしまう。 「このっ……よくも!!」 ロゼが振り返った先には…… もうすでにキリたちはいなかった。 「だ、団長……」 騎士団員が恐る恐る様子を伺う。 「おのれぇ……許さない……」 「ひ、ひぃ……」 とっても恐ろしく怖い顔をしていたそうだ
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