魔神剣使いの女、ロゼ現る

6/11

77人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
「そうだキリ様、確認したいことがあったのを忘れていました」 フロンが急に真面目な顔に戻る。 「お、どうしたんだフロン」 「キリ様はいいとして、コロナさんはこの格好のまま都心に行ってもいいのでしょうか? 私、人間のことはよくわからないところが多くて……」 「あ、そういえばそうだな」 完全に念頭から外れていた 「フロン、もうコロナの手の拘束解いてやってくれ。もう逃げたりなんてしないだろうしさ、一人じゃあの騎士団長をなんとかできないだろうし」 「わかりましたキリ様! よっと……」 フロンが手をかざすと、コロナの手を縛っていた植物が解けていく。 「ありがとなフロン」 コロナは自由になった手でフロンを撫でる。 フロンもまんざらではない顔をしている。 「となると、服を買わなきゃいけないか。なんかこのへんに服屋はないのか?」 「もうすぐ都心だから服屋はたくさんあるけどよ、私は今持ち合わせがないぞ? お前ら金持ってんのか?」 「うっ……」 当然持っていない。いつぞやかにくすねた金も、道中の食事でほとんど消えてなくなっていた。 「ったく、情けねーな。それでもいいや、ある分貸してくれよ。古着屋探して何とかするからさ」 --------------------------------- 古着屋を探して小一時間。 ちょうど、スラム街との境界線といったくらいの場所で一件の古着屋を発見。 コロナがいま服を選んでいるところだ。 「待たせたな! さぁ行こうぜ!」 出てきたコロナはショートパンツに模様の入った半袖のシャツ。綺麗な金髪も、髪留めで結わえてさっぱりしている。 「お、似合ってるじゃん。ま、コロナは元が結構美人だから何着ても似合いそうだけどな」 キリは何気なくそんなことを言う。 「な、何言ってやがる!! さっさと行くぞ!!」 コロナは頬を赤らめてズンズンと先へ進んでいく。 「キリ様……」 フロンが頬を膨らませてキリをジトっとした目で睨む。 「ふ、フロン、どうしたんだ? 怒ってるのか?」 「知りません!!」 そう言い放つとフロンまで先へズンズン進んでしまった。 「女ってよくわかんねぇな……」
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加