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「わぁ……、すごいですキリ様!!街がキラキラしてますぅ!!!」
フロンが目を輝かせながら飛び回る
「こらこら、はしゃぐなフロン、人目に付くぞ」
王都の内側、都心はとても賑わっていてた。
が
「でも、ちらほら見えるな……路地の間なんかにボロボロの服を着て倒れているやつや、薄気味悪いやつがな……」
キリの配らせた目線の先には路地で無気力に倒れている人、黒いローブで全身を包んでいる人。賑わっている街にはいないはずの人々だった。
「気が付いたか、そういうことだよ。都心では何か不穏な影が動いているんだ。でもここに住んでる人々はそれに気が付かない……」
コロナも周りを見渡し、悲しそうな眼をする。
「なぁ、キリ」
「どうしたコロナ?」
顔を見ずにコロナがキリに言う。
「私、一回家に帰ることにしたよ。いつまでもこんな状態じゃいられないからさ」
コロナは頭の後ろで腕を組みながら遠くを見つめた
それに対して、キリは満足げな表情をする。
「そうか、それはよかった。さぁ、家の場所を教えてくれ、俺が……」
「でも条件がある!!」
キリの言葉を遮ってコロナがキリに指をさす。
「ギルド入会試験を受けろ!! そして、Aランク以上で合格すること!! これが条件だ!」
言い切った後にコロナは フフーン、どうだこんなこと出来まいよ と言いたげな顔をする。
が、それとは裏腹に、キリはポカーンとした顔をしながらコロナに聞く。
「なぁ、その……さっきから気になってたんだけどさ…………ギルドってなに?」
それを聞いてコロナもポカーンと口をあける。
「ぎ、ギルドを知らないのかッ!? どんな田舎で育ったんだ!?」
知るはずもない、元々別の世界から来たのだから。
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