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「対話が終わったようだね。 どうだい、 手になじむだろう?」
社長の声で我に返る。
持っている斬切に目を落とす。
さっきまでの嫌な感じが一切なく、とても心地が良かった。
「それじゃあ、早速転送を始めようか」
え?
「待ってください!」
「どうしたんだね」
「いや、こういう異世界へ行く前って身体能力が超人化したり、不思議な力が使い放題だったり……」
「何を言ってるんだい? そんなものないよ」
「へ?」
「そんなうまい話あるわけないだろう。 ウチは会社なんだよ? 利益がないことなんてするわかがないだろう?」
た、確かに言われてみればそうだけど……
それじゃあ俺はこのへっぽこステータスで異世界に飛ばされるのか!?
「まぁ、その代わりにその斬切を持たせたんだ。なんとかなるさ」
そう言いながら社長が壁についてたレバーを下ろす。
すると、俺の体が宙に浮かびだした。
「え? え?」
「それじゃあ、頑張ってねー」
「ちょ、適当すぎ……」
パシュンッ!
と、言う音と共に、俺は異世界へ転送された。
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