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青い空、白い雲
そして広大な草原
そこに俺は立っていた。
「や、やりました!成功です!」
そう言っているのは目の前にいる手のひらサイズの小さな妖精のような女の子だった。
「これが異世界ジパングの最強の騎士、サムラーイですね!かっこいいです!」
一応今の自分の姿を確認してみた。
なんと! 会社の作業服ではなく、真っ黒い着物に白い袴、赤いスカーフのようなものが首についている!
かっこいい!!
そして、斬切がしっかり腰に付いている。これもまた決まってるぅー!
「あ、あの……」
あ、そういえば目の前の妖精ちゃんのことを忘れていた。
一応かっこよく決めておくか
「拙者を呼び出したのは貴殿か?」
「は、はい!私が、フロンがお呼びいたしました!」
小さい頭を何度も下げながら、妖精フロンはそう言う。
その度に綺麗なピンクの長めの髪が揺れ、フローラルないい匂いがする。
ゆったりとした服……というか布を被っていて背中から生えている透き通った羽もまた可愛らしい。
「それで、何用かな?」
「実は、私たちの村が夜な夜な魔物に襲われているのです。ですが、私たちだけではどうにもなりません……ですから、村に古くからある古文書を使ってサムラーイ様をお呼び出しいたしました! どうか、私たちの村をお救いください!」
これが異世界初の人助けか
いいじゃないか
やってやるぜ
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