第21話 心配してあげる

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 わたしの仕事を引き継いだものだけでなく、ネクストテクノロジー時代の顧客が次々と海斗を頼りに契約を結んでいる。  二課の社員ひとりひとりの成績も目覚ましく、四月の売り上げは社内でトップの成績を叩き出した。  主任なんて肩書以上の仕事をこなしていて、どうしてこの人を部長にしないのかと、一部でうるさくなり始めている。 「うん、おかげさまで」  ファイルをまとめて立ち上がると海斗は歩き出した。  わたしもその横について歩く。 「あんまり無理はしないでくださいね」  それだけの実績を残しているということは、それだけの仕事量があるということだ。  海斗のスケジュールについて考えたことがなかったけれど、急に気になりだした。  補佐になるのであれば、把握しておくべきだろう。
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