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こうして私たちは、翌月の頭からとなっている異動の行き先が決まり、新たな職場で別々に過ごす事となった。
片付けなど、もう後は雑務と言っても良い仕事をこなして一週間が過ぎて週末がやって来た。
あれから、凛さんとメールはしていない。
今週末の三日間で何をするのか、いつ迎えに来るのか、何の連絡もなかった。
しても良いかと聞かれた電話が来なかったように、実は彼の中では大したことではなく、その場の雰囲気で話している可能性は大いに考えられた。
正直私にとっては試されているようで気分が悪かったし、今までの経験上一番苦手なタイプだとさえ感じていた。
理由を問われると答えに困るが、一つ言えるのは彼の行動には規則性がないということだ。
何を考えているのかがまるで分からなくて不安にさせる。
こういった揺さぶるようなことを平気でする男は、一緒にいて幸せになれない。
それなのに<吊り橋理論>的に、揺さぶられて心が動揺すると、それを恋だと勘違いしやすい。
実際、本当に恋になる場合もあると思う。ましてあのイケメンなら。
そして、きっと彼のようなモテる種族は、揺さぶるだけ揺さぶって振り向いたらポイ。
正式に付き合うこともせずサヨナラ。
一夜限りのオトモダチ。
そんな事にも十分なり得る。
モテる種族に関係なく、男は皆そうなのかもしれないけれど。
だからこそこれからする恋は、順序やかける時間にこだわりたいのだ。
私は何となく週末が心から楽しみとは言えなかった。
(ていうか、3日間も何するのよ…。)
凛さんの事は信頼はしているけれど、それとは別にこの態度は納得がいかない。
私は連絡がないまま金曜日の夜を迎え、そのまま家へと帰った。
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