第1話

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太陽が昇り 小鳥が鳴き 冷たい風が吹く そんな朝 政弘は目を覚ます 今日は高校の始業式 春休みで鈍っている体をゆっくり起こし 目を擦る 「兄ちゃん ご飯~!!」 下の階から妹の奈々が政弘の名前を呼んだ 「今行く~」 だるそうな声で返事をした政弘は立ち上がり 背伸びをした後 階段をゆっくり降りた 「早く食べないとご飯冷めちゃうよ?」 奈々は得意気な顔をし テーブルに朝飯を置いた その時 政弘は驚愕したのだ 朝飯は普段は少食なのだが 今回はあまりにもおかしい 「ご飯と……味噌汁しかない…だと!?」 政弘の手は震えた だって普通は目玉焼きやトースト 野菜炒めなどの食品が一皿には乗っているのだ つまり政弘が言いたいことは 政弘「おかずが……ない…」 おかずがないのだ これはおかしい 妹は、ちゃんと毎日、普通の朝飯を作るはずだ 「冷蔵庫の中に何も無かったから」 妹は申し訳なさそうに頭を掻く しかし政弘が更に驚いたことは 味噌汁にくずきりが入っているのだ 「何で味噌汁にくずきりが入ってんだよ!!」 これは政弘の新学期最初のツッコミである
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