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手紙を見てからの時間の流れは、相当早かった気がする。…といっても今日は始業式とクラス発表だけ。学校自体は3時間くらいで終わるのだけれど、私にはそれが1時間くらいに感じて。
「も、もう放課後…」
気付けば放課後で。すぐ行くのは気が引けたので、まなちゃんとかえちゃんと心の準備をしてから出発した。
桜の木。それは四天宝寺中で1本しか生えていないからすぐわかった。そこに待っていたのはなんとも桜が似合う銀髪の男の子が立っていた。
「…あ、来はったか」
振り向いた彼は、誰もが知ってる四天宝寺中のアイドルでした。
「…どないしたん?」
「い、いえ、ナンデモアリマセン」
「ははっ、片言なってんで」
なぜ人気者の白石くんが私を呼び出したんだろ。なぜこんなに普通に会話できてるんだろ。私の心の中は不思議な気持ちでいっぱいになった。
「せっかく呼び出せたんやし、本題はいっていいやろか?」
「…う、うん」
白石くんはコホンと咳をつき、
「俺、ずっと松本さんが好きやってん。松本さんが良かったら、付き合ってくれへん?」
頭が真っ白になった瞬間でした。
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