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「美咲、朝だよ?」
「ん…ぅん…おはよお」
目を擦りながら、お母さんの顔を見たら
「んもぅ、目擦っちゃだめでしょ??」
と、笑いながら私の頭をポンポンっとして私の部屋から出て行った。
この朝が、私は幸せ。
お母さんと唯一顔を合わせて会話が出来る時間だから。
まだ寝ぼけながら階段をゆっくり降りて行くと、コーヒーのいい匂いがふんわりと香ってきた。
「今日の朝ご飯はなーにかなーっ」
そう言って走って台所に行くと、机の上にホットコーヒーとフレンチトーストがのっていた。
「うっわぁ!フレンチトーストだ!」
「美咲はほんとにフレンチトーストすきねえ、今日は苺とバナナとクリームにチョコソースがけよ?」
お母さんはそう言い、私の喜ぶ顔を見てニコニコしている。
「いっただっきまーす!」
フレンチトーストを一口食べたら、美味しすぎてもう幸せでいっぱいになった。
「美咲のその顔見てたらお母さん元気出るなぁ、お仕事頑張らなくちゃ!」
そう言ってお母さんもフレンチトーストを食べ始めた。
お仕事頑張らなくちゃ!かぁ…
なんだか、複雑だなあ。
私のために頑張ってくれてるけど、仕事に行ったら寂しくなっちゃう。
でもそんなわがまま、だめだよね。
私は、黙々とフレンチトーストを食べた。
お母さんも早くしないと仕事に間に合わないから、急いで食べてる。
「よしっ、ごちそうさま!じゃあお母さん行って来るね!夕飯は何がいいか後でメールするね!じゃあ行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
私がそう言うと、お母さんは急いで仕事へ向かった。
「よし、私もそろそろ学校行こっと。」
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