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11月はもうこの時間には外は真っ暗。
頬をさすような冷たい風が吹きつける。
「さみーな。」
そしてなぜか、先輩と一緒に帰ることになってしまった。
「冬ですからね。」
私がそう言うと先輩は下を向いてマフラーに顔を埋めた。
なんか、小動物見てる気分。
こんな大きい小動物いないけど。
先輩と私の身長差はかなりある。
私は158㎝くらいだ。
私の頭が調度肩くらいだから、きっとかなり大きいんだろう。
「先輩は、身長いくつなんですか?」
そう聞くとしばらく眉間にシワを寄せて考えてるようだ。
そして出た答えが
「忘れた。」
さすが、適当人間。
やっと駅について私たちはイスに腰をかけた。
でも小さな駅だから風がよく通る。
風が吹くたび足に鳥肌が立って震えていたら、先輩が私をふとみて、マフラーを渡してくれた。
「え?これ…」
「見てるこっちが寒い、かけとけ。」
「ありがとうございます。」
私はその優しさに思わず頬が上がってしまう。
それを見た先輩は、私から顔を背けた。
先輩の耳は冷えてしまったのか、真っ赤だった。
ようやく電車が来て、寒さのあまりに私たちは慌てて乗り込む。
電車のなかは暖房がよく効いていてすごく暖かかった。
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