第1話

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 夕飯を済ませて、冷えきった体を温めようとお風呂にむかった。 今日はいつもより帰るのが遅くなってしまったから、お湯は少しぬるくなっていた。 お母さんはいつも私が帰る1時間前に次の仕事に出勤する。 出勤する前にご飯もお風呂もちゃんと用意していてくれてて、本当に感謝してる。 でも、ただただ一緒に過ごす時間がなくて寂しい。 考えれば考える程涙が出そうになって、瞼が熱くなる。 少しぬるくなったお湯を温めなおして、お風呂に入った。 体を洗ってお湯に浸かりながら、今日の帰りのことを思い返していた。 「なんだったの…かな…」 なんだか佐柄先輩のことを考えていたら、体が熱くなる。 ちょっと、お湯が熱すぎたのかな…。 今日の帰りで佐柄先輩の色んな部分を見れた気がした。 意地悪で適当で、正直言って今まで佐柄先輩の印象は悪かった。 でも、今ではものすごく好感が持てる。
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