第1話

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「美咲、朝だよ?」 「ん…ぅん…おはよお」 目を擦りながら、お母さんの顔を見たら 「んもぅ、目擦っちゃだめでしょ??」 と、笑いながら私の頭をポンポンっとして私の部屋から出て行った。 この朝が、私は幸せ。 お母さんと唯一顔を合わせて会話が出来る時間だから。 まだ寝ぼけながら階段をゆっくり降りて行くと、コーヒーのいい匂いがふんわりと香ってきた。 「今日の朝ご飯はなーにかなーっ」 そう言って走って台所に行くと、机の上にホットコーヒーとフレンチトーストがのっていた。 「うっわぁ!フレンチトーストだ!」 「美咲はほんとにフレンチトーストすきねえ、今日は苺とバナナとクリームにチョコソースがけよ?」 お母さんはそう言い、私の喜ぶ顔を見てニコニコしている。 「いっただっきまーす!」 フレンチトーストを一口食べたら、美味しすぎてもう幸せでいっぱいになった。 「美咲のその顔見てたらお母さん元気出るなぁ、お仕事頑張らなくちゃ!」 そう言ってお母さんもフレンチトーストを食べ始めた。 お仕事頑張らなくちゃ!かぁ… なんだか、複雑だなあ。 私のために頑張ってくれてるけど、仕事に行ったら寂しくなっちゃう。 でもそんなわがまま、だめだよね。 私は、黙々とフレンチトーストを食べた。 お母さんも早くしないと仕事に間に合わないから、急いで食べてる。 「よしっ、ごちそうさま!じゃあお母さん行って来るね!夕飯は何がいいか後でメールするね!じゃあ行ってきます!」 「行ってらっしゃい」 私がそう言うと、お母さんは急いで仕事へ向かった。 「よし、私もそろそろ学校行こっと。」
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