『ルーム』第6集

第27話 賭け

　海斗を見上げれば、明らかに小ばかにした表情で安藤を見下ろしている。

　肩を竦めて、「やれやれ」と言いながら、首を横に振った。

「我儘な子供みたいですね。まぁ、初めから話の通じる相手ではないと思っていました」

　わ、わぁ、海斗の挑発、久しぶりだ。

　レノックスの時を思い出して青ざめた。

　普段は温厚な彼だから、こういう時に見せる牙は普通の人よりも鋭い。

　安藤は虚を突かれたようで顔をしかめた。

「何を……」

「賭けをしましょうか？」

　文句を言おうとした安藤を海斗が遮った。