971人が本棚に入れています
本棚に追加
「……賭け?」
話の展開が見えない安藤は身構えるように小さく呟いた。
「負けたら僕はこの会社を辞めます」
「な、何を言ってるの、海斗!」
「美織さんは黙って」
後ろから海斗の袖を引っ張ったわたしの手を、彼は振り返ることなくそっと引き剥がした。
「お前が辞めたからって俺にとっては……」
「僕が副社長派のホープだということは言わなくてもご存知ですよね? 僕は必ず社長になるつもりですから、いつかあなたを潰します。そんな邪魔な存在は早めに消しておいた方が都合がいいんじゃありませか?」
「…………」
海斗が煽るような調子で言うと、安藤は黙ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!