第27話 賭け

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「それで? お前が勝ったら?」 「もちろん、その席をください。大丈夫ですよ、僕は優しいので辞めろなんてヒドイことはいいません。ただ部長の席は空けてもらいます」 「ははっ、面白い話だな」 「ええ、面白いでしょう? だってそうするしかないじゃないですか、あなたは美織さんの主任補佐昇進を承認しないという。だったら僕が代わりに承認印を押すまでです。とはいえその時は補佐ではなく主任でしょうけどね」  海斗はこちらを振り返ってウィンクなんかしている。  ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとーっ。  わたしの昇進のために自分のクビを掛けるの?   そんなっ、わたしそんなことしてもらってまで役職なんていらないよーっ!
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