第26話 真意

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 ◇◆◇◇  夜になり人がまばらになって来た頃。  安藤が部長室に戻ってきた。  周りの目がこちらに向いていないのを確認してから、部長室の扉を叩く。  壁はすりガラスになっており、出入り口の白い扉には小窓がついている。  中にいた安藤は、わたしの顔を視認するなり顔をしかめた。 「どうぞ」  渋々と言った声が聞こえてきた。  わたしは素早く扉を開き、中に滑り込んだ。 「……主任補佐の件ですが、どうして承認不可なのか、理由をお聞かせください」  遠回りに用件を伝えても始まらない。  単刀直入に切り出した。
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