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第27話 賭け
「失礼します」
中からの返事も待たず、コンコンというノックと共に扉が開かれ、海斗が入ってきた。
彼は部屋に入るとすぐに扉の小窓についているブラインドを引き下ろす。
防音がされているから、こちらの声は外には洩れていないはずだ。
どうして入ってきたのかわからない。
彼はわたしを見て頷くと、後ろ背に庇うようにして安藤の目の前に立った。
「何? 入っていいって言ってないけど」
安藤は余裕を見せるようにやんわりと微笑んだ。
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