突然の連絡

8/31
前へ
/39ページ
次へ
電話に割り込んできたキャッチは個人の客で、夕べ俺から電話をしていた人物だった。 なかなか連絡のつかない人物なだけに、今のタイミングを逃せなかった。 話の続きが気になったが、お袋に告げる。 「ワリイ、客から電話だ。すぐまた掛け直すから」 返事を待たずに電話を切ってキャッチの相手に切り替えた。 「お待たせしました。わざわざお電話をありがとうございます。来週の件なんですが…」 夕べ確認しようと思っていたことを一つずつ並べた。 相手は年配な上に耳が遠いので聞き取りに時間がかかった。 「…じゃあ来週、火曜日の10時にお待ちしています」 やっとで電話を切って 着信履歴からお袋を表示させる。 すぐに掛けたが… 電話はコールするばかりで母は電話に出なかった。 「おい、おい…ひかるがどうしたんだよ…?」 独り言を呟きながら 俺の一日は気持ちが落ち着かないまま始まろうとしていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17638人が本棚に入れています
本棚に追加