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「ねえ…」
「ねえってば…」
「お母さんもおばさんも、そんなの無理に決まってるよ」
私の自宅。
お昼過ぎ、
お隣の節子おばさんがやって来て、リビングで母と私の三人で彼女のお土産の笹団子に渋いお茶を添えてテーブルを囲んでいた。
二人は笹団子を頬張りながら私の言葉には耳も貸さず、会話に夢中だ。
「暁人くん、随分と会ってないけど、元気かしら?」
「元気。元気。元気だけが取り柄なんだから」
「何言ってるの。暁人くんは昔から頭もよくって運動も出来て、ホントに優秀な子じゃないの」
「はーあ。いくら優秀でもね…。昔からそうだけど、男は母親を疎ましがるからね。秀子さんはいいじゃないの、私も娘が欲しかったな。ひかるちゃんみたいにかわいい子ならなおさらよ」
「ダメダメ。娘は心配が絶えないわ」
母と節子おばさんのこの会話を聞くのはもう何度目になるだろうか。
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