第31話 今更

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「そのまま別れちゃえば?」  ローテーブルの下を覗き込むようにして掃除機を掛けていたわたしの隣に、海斗がちょこんとしゃがんだ。  掃除機を止めて、顔を上げる。 「そんなことできるわけないでしょ」  海斗ってば、仕事をしている時は頼りになってかっこいいのに、どうしてプライベートは子供みたいになっちゃうのかな。 「僕についていきたいって言ったくせに」  海斗が責めるような口調で言った。  数日前のことを思い出し、顔がぼんっと熱くなる。  海斗についていきたいと泣きながら言った。  あの時は、深く傷つき興奮していて、思わず思っていることをそのまま言ってしまったのだ。
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