931人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「そのまま別れちゃえば?」
ローテーブルの下を覗き込むようにして掃除機を掛けていたわたしの隣に、海斗がちょこんとしゃがんだ。
掃除機を止めて、顔を上げる。
「そんなことできるわけないでしょ」
海斗ってば、仕事をしている時は頼りになってかっこいいのに、どうしてプライベートは子供みたいになっちゃうのかな。
「僕についていきたいって言ったくせに」
海斗が責めるような口調で言った。
数日前のことを思い出し、顔がぼんっと熱くなる。
海斗についていきたいと泣きながら言った。
あの時は、深く傷つき興奮していて、思わず思っていることをそのまま言ってしまったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!