第5話

7/21
前へ
/21ページ
次へ
「そうだ……ねぇ――カメラが起動していたわけだから、飲み物に仕掛けられているとすれば、なにかが映っているんじゃない?」 「そっか! それなら安心して水を飲める!」 急いで茂はテーブルの上の布団を退かし、パソコンを乗せた。起動し、各カメラが撮影したものを三分割で表示させた。 熱心に画面を見つめる茂に、私と陸也も左右から覗き込んだ。 茂はヘッドホンを付ける。早送りしてみたり、通常モードにしたり、繰り返し作業を進めていた。 「今のところ、なにも映っていないな……飲み物が無事なら、空腹が多少満たされる。頼むぞ……」 陸也が念仏のように、低い声で唱えた時だった。 「ああ!」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加