第36話 本気で好きになりすぎた

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 身を乗り出してきた海斗に後頭部を掴まれ、唇を塞がれてしまった。  唇で食まれて舐られる。  何度も角度を変えて、押し付けて、吸いついて。  舌を入れられたわけじゃないのに、甘く情熱的で、蕩けるほど気持ちよかった。  心臓が早鐘を打つ。  頭の中が完全にこんがらがって、ぐちゃぐちゃになった。  そんな中、はっきりと浮かび上がった単語は――。  乱暴に離された。それが切なくて胸がちくちくする。 「美織さんの弟になるつもりは未来永劫ないから」  まっすぐに見つめられて、息が吸えなくなる。 「行こうか」  海斗は伝票を持つとさっさと立ち上がった。
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