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「浅原幸太郎?誰それ。」
「朝子知らないの?
2年生でね、イケメンなんだよ。
遊び人らしいんだけどねー」
・・・背後で俺の話題をしている女子がいる。
「ムカつくな~。何でお前ばっかモテんだよ。」
隣で佑哉がボソッとぼやく。
・・・仕方ない。俺のこと知らないアサコちゃんと俺のファンらしいオトモダチの為に振り向いてあげよう。
・・・なんてな。
自分で自分を嫌な奴と自覚しながら振り向くと、髪の長いサラサラストレートヘアーの、なかなかカワイイ女の子。
「わぁっ!!朝子っ、この人だよっ!!」
驚いた顔も可愛らしい女の子が、友達の腕に絡み付く。
・・・つーか友達・・・
おまえか!いつぞやのサル女!!
「あ!いつかのもやし男。
えー?かっこいいの?コレ。」
「ちょっと朝子!」
“コレ”って!!
「もやしオトコだと!?」
くっそーっ!振り向くんじゃなかった!!
態度デカイうえに無礼者っ!!
「色白で細いから、もやしじゃん。」
目をぱちくりさせたキョトン顔で、失礼なことをズバズバ言う。
「お前だって真っ黒じゃねーか。」
「地黒だもん。仕方ない。」
「・・・」
俺はサル女の友達を引き寄せて、サル女の正面に立たせて頭を撫でた。
「いいか?女の子ってゆうのはな、この子みたいに可憐で髪が長くて思わず触りたくなるような子の事をゆうんだ。
ちょっとはオトモダチ見習え。」
なでなでと頭を触りながら言うと、サル女は返す言葉も無いのか黙ったまま相変わらずのキョトン顔で俺をジッ・・と見ている。
・・・大きな目だな・・・
まん丸で・・・
あまりに真っ直ぐに俺を見るから思わずひるみそうになった。
するとサル女は突然キョロキョロと周囲を見回しだした。
何か、お目当ての物でも見つけたのか
「あ」と言って、視線を止めた。
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